会社から選抜されて、
技術者になるための学校へ進学

四段圧延入社5年
所属部署:製造課 圧延チーム

「銅を伸ばす所」と書いて伸銅所、圧延は会社の中核的工程

私は高専の材料工学科で主に金属系を学んでいました。就職活動では、地元の宮城県で働きたいと考えていたので県内を中心に探して、卒業生が働いている当社を選択しました。入社した当初は、先輩社員の話していることが、専門用語ばかりで何を言ってるかわからず、とりあえず言われたことだけやってるという状態でした。そのため、トラブルを起こしたり、先輩社員に迷惑をかけたりする日々でしたが、よく石の上にも三年という言葉があるように、正に自分の中では三年くらいでようやく理解できるようになり、先輩社員と同じ目線に立てたかなと思えるようになりました。
入社時は製造の圧延工程に配属されています。圧延はどういう工程かというと、金属を2つのロールの間に挟んで流し込み、圧力をかけて、その中に板を通すことで薄く加工するというものです。原田伸銅所は、「銅を伸ばす所」と書いて伸銅所、圧延自体がこの工場の中でも中核となっており、まさに銅を伸ばす工程にいるのはやりがいがあります。その工程で求められる厚みなどの精度はミクロン単位ですから、それを正確に狙うというのは簡単ではありません。その人の経験や勘も影響してくるので、新入社員がすぐにできるものではありません。また、機械を自分の思い通りに動かすのはかなり難しく、1ミクロンでも外れたらそれで試合は終了という世界です。しかし、そこをどういう風にやっていくか考えて成功すると達成感があります。

会社から選抜されて、技術者になるための学校へ進学

昨年4月から、会社に選抜されて今後の業務に活かせる2年制の学校に通っています。会社としては、今後ロボットや全自動運転、IoT、AIなどの最先端テクノロジーを導入しようと動いており、そのためには、知識を持った技術者の育成が必要だということになりました。そして、ソフトやハードの知識を持った人間に現場経験を積ませて行こうということで、私が第一弾に選ばれて技術者のための学校に通うことになりました。
学校では、会社に持ち帰って活かせるような技術の勉強をしています。例えば、センサーの勉強では、会社にセンサーがついたら、人が見ていなくてもセンサーが感知して、作業する人員配置が必要なくなり、人手不足が深刻な場所にも利用することができるようになります。2年生では、総合製作実習という、いわゆる大学の卒業研究みたいなものがあります。そのテーマは、会社の人と相談して、圧延に関することに決めました。
会社にはロールを研磨する工程がありますが、圧延工程においては材料製品に直に接するロール部分、その表面や形状について、現在は接触式で測定を行っています。これを非接触式の方法で測定できないかを研究しています。
レーザーで測定できるセンサーを使って、ロールの表面や形状を測定できる機器を作ることがゴールなのですが、これがかなり難しい。残りの学生生活で、この機器を作った経験を元に、会社へ帰った後は他のところに展開していきたいと考えています。

年齢に関係なく、挑戦させてもらえる環境がある

なぜ、自分が選ばれたのだろうと考えたとき、資格取得がきっかけだったのかもしれないと思いました。入社した当初は、現場にX線作業主任者がおらず、社内で私が最初に合格して、それ以降はさまざまな仕事を任されるようになりました。学校の話をもらったときは、正直に言って「自分が?」と驚きましたし、卒業へのプレッシャーもありました。
もちろん、学校は行かないという選択肢もあり、強制ではありません。しかし、挑戦しないよりも、挑戦して駄目だった方が自分の人生経験にも良いだろうと、とりあえずチャレンジしてみようと決めました。その際には、現場の上司や先輩社員にも相談したところ、みなさんあたたかく背中を押してくれたのも心強かったです。
社会人になると、年齢や役職で上下関係が厳しいのではと考えている学生も少なくないと思いますが、当社は20代の若い社員も多く、先輩も優しく頼りになる人ばかりで、そういう意味では働きやすい環境です。また、原田伸銅所は自分を開発できる会社と言えます。教育面のサポートが手厚いので、私のように学校へ通う社員もいますし、資格を取得すると資格手当がつきます。若い内からさまざまな経験を積ませてもらえるので、そういう職場環境の中で、もっと自分を高めようとモチベーションが生まれると思います。


※入社年数は取材時のもの

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